ブックマークはこちら

ダイエット体験記・その他



太るメカニズム

太るメカニズム

太るメカニズム
  • ブームを超え、もはや常に話題のトピックスとなって久しいダイエット。お腹や二の腕、太ももなど気になるところがある人にとって、「やせないと」という漠然とした気持ちから、「やせる」という明確なダイエットの意思まで思うところはさまざまですよね。でも、やせることを考えるのは、まず太っている、または太ることが前提ですよね。太っていなければ、太らなければダイエットは不要なわけですから。もちろん太らないようにするということは簡単なことではありません。でも、せめてどうすれば太ってしまい、どうすれば太らないかを知っていれば、それなりの対策もとれるというもの。そこで、ここでは太るメカニズムについて考えてみることにしました。
  • どうして太るのか
  • 体脂肪が増える原因は、摂取カロリーが消費カロリーをオーバーするからというひと言に尽きます。それくらいはみんなわかってるけど「なぜオーバーするのか?」が意外に難しいですよね・・・。オーバーする理由も千差万別。そこでまず最初に摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしてしまう原因から考えていきたいと思います。
  • 倹約遺伝子
    200万年という長い時間をかけて人類は進化してきたが、原始時代は今と違っていつでも食べ物があるという状況ではありませんでした。1日2日、場合によっては3日も4日も、1週間も食べるものがないということもあったでしょう。そのような状況下ではエネルギーをよく貯めることができ、あまりむだ使いしない人が長生きができて子供を残すことができたと考えられます。
  • 倹約遺伝子の働き
  • エネルギーを上手に貯めるために必要なのが「インスリン」です。インスリンが働いて、できるだけ多くのエネルギーを体に貯め込み、食べるものがないときはそれをゆっくり使うというメカニズムを最大限進歩させてきたのが、私たち人類なのです。このメカニズムを 「倹約遺伝子」 といいます。現代では食べ物が豊富なため、この倹約遺伝子を持っている人は、どんどんエネルギーを貯め込んで太ってしまい病気になりやすくなり、倹約遺伝子のない人は、エネルギーを 「むだ使い」 して、肥満することなく健康な生活を送れる確率が高いのです。
  • ストレス
  • ストレス
    ストレスが直接的に太る原因になるわけではありませんが、ストレスは「食べ過ぎ・飲み過ぎ」を誘発します。 頭で感じるストレス以外に、体が無意識に感じているストレス=自律神経の乱れも、肥満に大きく関わっています。実際、食欲は、自律神経を司る「視床下部」でコントロールされていて、一定のリズムをもって1日をおくってこそ正常にはたらきます。都市化した環境で、昼も夜も関係なく生活している日本人は、その自律神経が乱れ、ストレスにさらされています。
  • 食文化
  • 「そばは3分で食べろ」というように早食いで満腹感を得られないのが原因。

    「おつきあい文化」。会社のおつきあい、同僚とおつきあいなどお酒+食事のできる居酒屋などでの外食がカロリーの取りすぎに。

    朝、昼より、夕食をしっかり食べてしまうことがエネルギーを消費できない原因。
  • 早食い
  • おつきあい
  • エネルギーを消費できない
  • 危険な脂肪のつき方
  • 太るということはすなわち体に余分な脂肪がつくということ。前述したように脂肪には、内臓の周りにつく内臓脂肪と内臓と皮膚の間につく皮下脂肪があります。この2つは同じ「太った」状態でも、キケン度が異なります。内臓脂肪は、内臓そのものへの負担が大きいだけでなく、血液の中に溶け出しやすいために、さまざまな生活習慣病の原因になりやすいのです。リンゴ型肥満体型で、体脂肪率が高かったり、血液検査で脂質が多めと出た場合は、CTスキャンで腹部断面像を撮影し、測定することをおススメします。
  • 同じ摂取カロリーなのに太る・太らないの不思議
  • 褐色脂肪細胞の障害
  • 褐色脂肪細胞はブドウ糖や脂肪を燃焼させて、体温維持しています。幼児ではわきの下やけい部深部、腎周囲など、成人でもわきの下や腎周囲などに多く見られます。特色は、脂肪が複雑な代謝をせず直接消費されることです。このため自由にエネルギーを放出、熱が産生され、カロリー消費されます。 つまり、カロリー消費が多ければ脂肪の蓄積は抑制されます。この褐色脂肪細胞の減少や機能障害が生じ、肥満が起こってくることが考えられます。また、褐色脂肪細胞を活発にするためにはアドレナリンが必要ですが、アドレナリン受容体の異常でも肥満が起こることがわかってきています。
  • 白色脂肪細胞の増殖
  • 白色脂肪細胞は、褐色脂肪細胞と異なり、脂肪を蓄積する細胞です。妊娠末期に妊婦が脂肪、炭水化物を過剰摂取すると、胎児の脂肪細胞として白色細胞数が増加します。さらに生後1年の乳児が炭水化物を過剰摂取すると、やはり白色脂肪細胞数が増え、その結果、肥満に移行します。このような増殖型肥満が小児期に発生し、そのまま成人肥満になると、肥満細胞も大きくなり、重症の肥満になります。思春期も同じように増殖型肥満に移行します。
  • 食欲調節機構の乱れ
  • 視床下部の摂食中枢のバランスが崩れて過食に陥ると肥満が起こってきます。原因としては、視床下部付近の腫よう、またはストレスで満腹中枢に影響をきたし過食になることもあります。満腹感があるのに、つい食べ物を口にする人がいますが、これを続けていると、食欲中枢が狂ってしまい、いくら食べても満腹感を感じられない体になってしまいます。
  • 肥満は遺伝?
  • 両親が肥満の場合約70%が、片親の場合40~50%の子供が肥満になるといわれていて、肥満は遺伝素因が大きな要素を占めるものであると研究結果がでています。また、肥満(ob)遺伝子の存在も明らかになって、obタンパク(またはレプチン)と呼ばれる、ホルモンの一種のようなタンパクを作り出しています。このobタンパクが視床下部に作用して、体重をコントロールしている可能性があるといわれています。従って、ob遺伝子の変異をもつと、このobタンパクが作られないために肥満をきたすと考えられています。一方、遺伝性の肥満には、遺伝性の病気(先天異常症候群)が原因になっているものもあります。これらの症候群に見られる肥満は中等度までのものが多く、重症の肥満を示すものは少ないといわれています。Prader-Willi症候群、Laurence-Moon-Biedle症候群などがあげられます。
  • 肥満は遺伝?
  • 肥満は命を短くする?
  • 保険相互会社の調査によれば、1972(昭和47年)~1982年の間に保険契約した15~69歳の372万人のうち死亡者2万8600人の性、年齢、肥満度別に標準死亡率を分析したところ、肥満が短命につながっていることが明らかになりました。やせ過ぎても太り過ぎても死亡率は高いですが、特に肥満は死亡率を高め、男性の15~39歳の群の肥満度+35%では死亡率が145%を示し、女性でも同様の結果になっています。肥満に伴って死亡率が高くなる病気は、脳血管障害、心臓血管障害、肝硬変などがあり、女性の場合は子宮がんや乳がんとの関係も指摘されています。リンゴ型肥満は、糖尿病や高脂血症、心臓疾患のリスクを増大させます。
  • 肥満は命を短くする?
  • 肥満の予防法
  • 1日に必要なエネルギー量は、身長から考えた標準体重と、生活活動強度(体重1kg当たりに必要なエネルギー)から計算する。それにしたがって、1日のエネルギー量を超えないように、バランスの取れた規則正しい食事をすることが大事です。
  • 標準体重=身長(m)×身長(m)×22
  • 生活活動強度
    軽い(事務的・管理的な仕事、幼児のいない専業主婦)…25~30kcal
    中(製造・加工、販売、サービス業、幼児のいる主婦)…30~35kcal
    やや重い(農業、漁業、建設作業)…35~40kcal
    重い(農繁期の農作業、林業、プロスポーツ選手)…40kcal~
  • これらを参考に、一日に必要なエネルギーの量を求めます。

  • ・・・ex)身長170cm、生活活動強度が軽い人の場合
  • 標準体重=1.7×1.7×22=63.58
    1日に必要なエネルギー=63.58×25~30≒1590kcal~1907kcal)
    となります。
  • そのほかの予防法としては食事や運動などが考えられます。それらについては痩せるメカニズムを参考にしてください。